エンゲージガンダム キャノン装備
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、後方支援機をコンセプトに強化したエンゲージガンダム換装プランのIF機体。機動力・継戦能力を犠牲にし、高火力武装を多数搭載している。
ランドセルのビーム・サーベルを廃止し、V作戦で支援機として活躍したガンキャノンやガンタンクの肩部キャノン砲のデータを参考に、高出力のビーム・キャノンを装備。
その他の武装として、2連装ビーム・ライフルをベースにした腕部ビーム・キャノン、ザクIIの脚部3連装ミサイル・ポッドを参考に新造した4連装ミサイル・ポッドを装備している。コア・ファイター形態でもビーム・キャノンが使用可能となっており、コア・ファイター単体でも高火力支援機として活躍できるレベルの火力を備えている。
エンゲージガンダム ブースター装備
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、高機動戦闘をコンセプトに強化したエンゲージガンダム換装プランのIF機体。機動力が上昇する追加ブースターを装備。 追加ブースター自体はコア・ファイターが装備しており、コア・ファイター状態でも追加ブースターは使用可能となっている。 加速や最高速については申し分が無い一方、ユニバーサル・ブースト・ポッドで採用されていたフレキシブル・ジョイントなどは採用されておらず、姿勢制御や機動性、運動性についてはGP01フルバーニアンに劣る。 なお、コア・ファイターに追加装備された大型ビーム・サーベルはビーム・キャノンとしても使用できる。
エンゲージガンダム インコム装備
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、準サイコミュ兵器搭載をコンセプトに強化したエンゲージガンダム換装プランのIF機体。ニュータイプや強化人間が搭乗することをベースに設計されている。 改良点として、エンゲージゼロインコムタイプでは両腕に有線メガ粒子砲を装着しており、マニュピレータとして十分な運用ができなかったため、メガ粒子砲はコア・ファイター側へと移設された。 移設の際メガ粒子砲は、サイコミュで運用する無線式に改良され、射出し敵を攻撃する以外にもコア・ファイターに装着したままでメガ粒子砲としての運用も可能となっている。 ビーム・サーベルは大型化され、ビーム・カノンでの運用をメインとした。 敵をホーミングし自動で攻撃を行い、エンゲージガンダムのアシストも可能としている。 ビーム・カノンはビーム・サーベルとしても使用可能。大型化しているため高出力となっているが振り回すことは難しくなっている。
エンゲージガンダムファンネル装備
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、サイコミュ兵器搭載をコンセプトに強化したエンゲージガンダム換装プランのIF機体。エンゲージゼロで研究・運用されたレモラファンネルを装備。 ファンネルの性能自体はエンゲージゼロのものと大差はなく、両肩に各5基、腰後部に3基の合計13基搭載。両肩のファンネルは腕部の稼働にあわせて自動で稼働し干渉しないように設計されている。 腰部についても細かい改修が施されている。ファンネルを腰部に装着するにあたり、フロントアーマーおよびリアアーマーが大型化され、腰部再度アーマーにもファンネルを装着することができる形状となっている。 膝裏には大出力のスラスターを装着、膝部のタンクについても容量を大型化し、高機動戦闘を前提とした改良も施された。
エンゲージハンマ
エンゲージガンダムが設計・運用されており、ネオ・ジオンの技術が流用されていたら、という換装プランのIF機体。
当時のネオ・ジオンの技術や意匠を大きく取り入れた形の設計となっており、頭部については外部装甲を増設し、ツインアイカメラが独自のモノアイカメラに変更されているため、素体のエンゲージガンダムとは一見では判別がつかないほど改修されている。
コアブロックシステムはオミットされ、追加の武装や外装外装を各部位に増設された。
ネオ・ジオンで開発されたハンマ・ハンマの予備パーツを元に参考・再設計されており小型化を目指している過去のエンゲージガンダムは追加装備による強化が見られたが、エンゲージハンマは固定装備によって素体の比較にならないほど機動力・火力強化されている。
フルアーマー・エンゲージガンダム Cプラン
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、今までの換装プランを複数統合した換装プランのIF機体。ビーム兵器・実弾兵器問わず対応できる強固な防御力を求めた設計プラン。 新装備であるビーム・シールドをエンゲージガンダムに搭載するためにエネルギー効率の向上を目指し設計の基礎から大きく見直され同型フレームながら大幅な軽量化に成功している。 他プランと同じく同世代のMSと肩を並べられる機動性の確保のために各部スラスターを装着している。 ビーム・シールドとの併用の為にビーム・ライフルも本機のために新規で開発されており、こちらも同世代MSのビーム・シールドに対抗できる出力を要している。
ロズウェル・ジェガン
シャアの反乱時、アムロ・レイ大尉の発案で造られた攻防一体のサイコミュ兵器「フィン・ファンネル」は、サイコフレームと組み合わせることでニュータイプ能力の増大による良好な戦果が観測されたが、サイコミュ兵装の開発におけるフィン・ファンネルのデータは決して十分とは言えなかった。そこでRX-94 量産型νガンダムでの採用を前に、実用プランの立案及びデータ収集を目的に先行生産されたのがこのRGM-89NT-1 ロズウェル・ジェガンである。
ベース機体には高い汎用性を持つRGM-89 ジェガンA型が採用され、コックピットブロックの一部にはサイコフレームも搭載された。実用試験においてはシャアの反乱時に観測されたフィン・ファンネルの戦果には及ばないものの、従来のサイコミュ兵装を上回る結果を残し、偶発的なものかと思われていたIフィールド・バリアの展開にも成功した。これらのデータはIフィールド・シールドに繋がるAE社の研究を大きく前進させる結果をもたらした。
強襲用九十九式
コスモ・バビロニア建国戦争を期にMS開発競争が活発化。サナリィの後塵を拝したAE社は過去に蓄積された技術を再編することで、フォーミュラー計画を上回る性能を有した機体開発を画策した。その中で社内の独自コンペに提出されたのがMST-99 九十九式であり、機体コンセプトはグリプス戦役時に「百年使えるMS」との願いを託されたMSN-00100 百式をU.C.0120年代に向けてアップデートするというものだった。MST-99の特徴はムーバブル・フレーム構造を利用して脚部を変形させ、ブースター・ユニットを増設することで本機、MST-99A 強襲用九十九式に換装できる点にある。武装としては70mmアサルトガトリングを装備し、バックパックのハード・ポイントには各種ミサイル兵装などを内蔵したウェポン・コンテナをマウントしている。その名の由来はニホンにおける「九十九」即ち「永劫とも思える時間・経験」や「多様性」から引用されており、このチームがMSN-00100からどれほど影響を与えられたか分かるほどである。
ディジェ・アサルトパッケージ
カラバの独力ではMSA-099 リック・ディアスの運用は難しいとされていたが、ルオ商会やAE社キャリフォルニア・ベース支部の協力により、実戦試作機MSK-008 ディジェの開発に成功する。陸戦用のこの機体は伝説の一年戦争のエース、アムロ・レイがキリマンジャロ攻略戦やダカール電撃戦などで搭乗し戦果を残したことで、カラバ開発という不信感を拭いさった。
その後MSK-008はエースパイロット向けに少数が生産され、個々の得意とする戦術や機体構成に合わせた改造が行われた。中でもMSK-008S/A ディジェ・アサルトパッケージと呼ばれるこの機体は僚機との連携を前提とした爆撃支援機として運用された機体である。
本体をS型と呼ばれる強化型へ改造し、肩や脚部などを改修。各部の増加装甲内にはFSWS計画からフィードバックされたミサイル・ポッドが内蔵され、上記運用に適した制圧能力を有している。また各ミサイル・ポッドは弾頭発射後に任意でパージすることでデッドウェイトを排し、可能な限り以降の継続戦闘の支障にならない様に設計された。
ザック・ポッド
GSREX-210608 ザック・ポッドは、サイド2の新興商社のGSREX商会がジャンクから作成したハンドメイド・モビルスーツ。サイド1のジャンク屋であるゲモン商会の作業用MS ゲゼと比べて小型なミドル・モビルスーツサイズであり、ホビー用として売り出された。
大量生産が行われたMS-06 ザクⅡのパーツを流用している部分もあり、旧ジオニック社風のデザインでまとめられている為、主に旧ジオン公国軍系機体の愛好家向けに作られた商品だったが、ザックポッドという名称が連邦軍の手で開発されたRMS-106 ハイザックを想起させたことで今ひとつ受注数は伸びなかったようだ。
また、コロニー内での運用も可能なホビー機として開発された機体ではあるが、レプリカMS同様に過激な武装テロリストによって運用され、対艦ミサイルやザク・マシンガンを調達し装備した機体も現れた。これを受けてGSREX商会は製造を中止した。しかし実際に動くカスタム品を見たことでマニア向けのマーケットでザック・ポッドの価格は高騰。GSREX商会はマニア向けに少数再生産を行ったと言われている。
ボール・ボーイ
GSREX-110309 ボール・ボーイはサイド2の新興商社、GSREX商会が開発・販売を行うハンドメイド・モビルスーツの一機種。ジャンクから作りあげた本機は一年戦争時に活躍したRB-79 ボールをモチーフとし、GSREX-210608 ザック・ポッドとのセット販売や、地球連邦軍を得意先とする会社での運用を見越した商品展開が行われた。
サイド1のゲモン商会のゲゼと比較するとミドル・モビルスーツサイズ並に小さく、オリジナルのモビルポッドのボールとはサイズが異なるためパーツの互換性はない。しかしこの機体をベースに好事家が様々な改造を行っており、一年戦争仕様のミニチュアサイズのレプリカなども存在する。
ホビー機として開発されたボール・ボーイではあるが、過激な武装テロリストによって低反動キャノン砲や低出力のビーム・トーチを装備した実例も報告されている。
ザクⅢ サイコミュ装備型
高い汎用性と拡張性を持つAMX-011 ザクⅢの拡張プランとして、開発段階から計画されていたのがこのAMX-011P ザクⅢサイコミュ装備型である。サイコミュ兵装を装備しつつも、整備性と互換性を維持した運用を目的としている為、一部パーツにはAMX-011S ザクⅢ改と共用のものが採用された。ファンネルを利用しての遠距離攻撃と合わせ、火力面の強化としてビーム・バズーカを装備。両肩のバインダーは同時期に開発されていたNZ-000 クィン・マンサの技術が一部転用されたとも言われている。
第一次ネオ・ジオン戦争末期に開発はほぼ完了していたものの、実戦投入を前に終戦を迎え、表舞台に登場することはなかった。しかし、シャア率いる新生ネオ・ジオンが積極的なニュータイプ専用機の開発を始めた頃にこの不遇な機体は再び注目され、サイコミュ兵装のテストベッドとして運用されることになった。
元々装備されていたファンネルから試作型の新型ファンネルへ換装され、この機体で得られたデータがAMS-120X ギラ・ドーガ サイコミュ試験タイプへフィードバックされた。
ムーシカ
オークランド研究所製のTMA、NRX-044 アッシマーは円盤状のリフティング・ボディ構造により、大気圏内での高高度飛行時の機動性と低空での安定性を両立している点から性能面での評価は高かったが、通常MSと比べた際の生産コストの高さが一つの問題とされた。その中で検討されたのが別MSとの連携運用による新たな可能性である。 僚機として選ばれたのが次期汎用主力MSとしてニューギニア基地で開発されたRMS-154 バーザムである。RMS-154はムーバブル・フレーム機構を持ったRX-178 ガンダムMk-IIの汎用量産計画機とも言われており、次世代の主力機として様々な発展プランが検討され、その一つにNRX-044BZ ムーシカの計画は組み込まれた。 本機はNRX-044の変形機構として採用されていたドラム・フレーム構造をムーバブル・フレームに置き換える為にRMS-154を素体として利用。独自構造を廃することで生産の効率化を図る狙いがあった。機体特徴としてはNRX-044のパーツを流用した有人機のSFSムーシカ・ベースとRMS-154が状況に応じて分離・合体することで、耐弾性の向上と機動性の強化が図られている。
ジム・シューター
高い基本性能を持っていたRGM-79SP ジム・スナイパーⅡを再利用して作られた超長距離支援用MS。一年戦争以降に発展したSFSによって大気圏内でのMSの運用領域は空に広がり、空対地攻撃をも容易に行える兵器に推移した。この為U.C.0090後半になっても前線では未だに対空兵器として中距離及び長距離支援用の機体が必要とされていた。
本機は二十年の歳月により老朽化した機体をベースとしているが、高出力のロングレンジ・ビーム・ライフルの運用にのみ装備を絞った結果、携帯可能なサイズまでの小型化とバックパックへの一体化を両立。更に冷却材とエネルギーパックをワンユニットにしてリアスカートへ装備したことで数発ではあるが単独での連続使用を実現し、対空超長距離射撃を継続的に行うことが可能となった。
ベルガ・ギロス ジレ・クリューガー専用機
作戦参謀たるジレ・クリューガー大佐自らが搭乗するため、指揮官専用機のXM-05 ベルガ・ギロスを元に準備させていた機体。
権威を表す意味で左肩にはレリーフ造形の追加アーマー、各部位には飾緒などを模した装飾が加えられた。またジレ自らが率いる部隊については蒼色を基調にした部隊色でペイントされ、「蒼の部隊」として運用する計画であった。
しかしフロンティアIでの戦闘の最中、ラフレシア・プロジェクトの実質ナンバー1と2が戦死。後を引き継いだメンバーによってバグ稼働テストにおける問題点が検証された。
当時の戦略的失敗は自立式無差別攻撃兵器故の疎放さにより、子バグのキャリアー兼司令塔になっていた親バグが早期に撃墜されたことにあると判明。それを受け機体の両肩にバグを再利用したホッブバグを搭載し、親バグと子バグのコントロールの一部をMSパイロット下に置くことで戦略性を高める運用方法が考案された。
スライフレイル
一年戦争時、RX-78 の余剰パーツを基に二十数機生産されたRX-79 [G] 陸戦型ガンダムは、東南アジア戦線をはじめユーラシア大陸の各地に配備されたが、RGM-79 ジムの配備・運用と合わせ RX-79 [G] の補給は打ち切られた。しかし、残された補給パーツを元に現地技術者達の知恵と努力により各戦線の特性に合わせた独自改造が施され、 RX-79[G]は機種交換されるまで運用されたと言われる。
その中の一機、RX-79[G]F スライフレイルは湿地帯や森林などの僻地での隠密活動を見越して改修が行われた。遮蔽物の多い森林での戦闘に合わせて、機体は隠蔽性の高い緑に塗り替えられ、 ランドセルも軽量化。加えてパイロットの要請から、障害物を避けられる三節棍を模したビーム・ジャベリンを左右腰部の追加ラックに1本ずつ装備。2本を接続させることでロング・ビーム・ジャベリンにすることが可能となっている。
グフ・ホバータイプ
MS-07B-3 グフ・カスタムをベースに改造された機体がMS-07H-6 グフ・ホバータイプである。MS-07B-3ベースの機体はMS-07H-8 グフ・フライトタイプが有名であるが、このMS-07H-6はツィマット社から提供された熱核ジェット・エンジンのデータを使用することで、1G環境下でドムタイプ並の高速機動を実現。加えて、ベース機であるMS-07B-3が本来持ち得ていた白兵戦性能を引き上げるべく、左腕にはスラスター噴射の勢いを利用した打突武器ブーストナックルがマウントされ、前述のホバー走行と組み合わせることで一撃離脱戦法を可能とした。
しかし、データ調整などの部分で開発は難航。完成は迎えたものの、その最中にキャリフォルニア・ベースが陥落。ジオン本国で開発されていた本機は地球に送られる事なく終戦を迎えた。
ガンダムデルタアンス
MSN-001 デルタガンダムから始まる可変MS(TMS)の系譜は量産試作機MSN-001A1 デルタプラスを経て、特殊装備の技術実証を目的にMSN-001X ガンダムデルタカイが開発された。MSN-001Xの機体性能は高く、n_i_t_r_o(ナイトロ) 搭載により一般兵士にもファンネルの運用を可能にしたが、そのシステム自体の詳細が非公表になっている点を疑問視する意見が多かった。そこで本機MSN-001Y ガンダムデルタアンスはサイコミュ系システムを搭載しない、MSNシリーズの一つの形として設計された機体である。
MSN-001A1にて確立した変形構造はそのままに、背面には大型の展開式スラスターユニットがマウントされ、必要に応じて出力の調整が可能となっている。主兵装としてはMSN-001Xの技術実証にて高評価を得たロング・メガ・バスターを装備。MS形態時での防御力の補助としてシールド内にはIフィールド発生装置が搭載された。
アサルトバスターガンスマッシャー
次々と投入されるベスパの最新鋭MS群に対してリガ・ミリティア側も戦力のボトムアップが求められた。マルチプルMSのLM314V21 V2ガンダムの開発には成功したがミノフスキー・ドライブの生産と実機調整が追い付かない為、LM111E02 ガンイージにLM314V21用に開発した増加パーツを転用して機体を改修するプランが策定された。
ベース機のジェネレーター出力のままでは追加ビーム兵装の使用が困難であった為、ミノフスキー・ドライブの一部技術を応用したオーバーテール・ユニットにジェネレーターを換装。しかし機体強度の問題が発生し各部にも改良を施した結果、ベース機であるLM112E06 ガンスマッシャーの姿へと帰結した。
本機LM112E07/08 アサルトバスターガンスマッシャーは改修プランの完成形であり、LM314V23 V2バスターガンダムと同様にバックパックには長距離支援用のメガ・ビーム・キャノンと、迎撃用のスプレー・ビーム・ポッドを装備。メガ・ビーム・ライフルの実用データから開発された高出力ビーム・ライフルを右腕に、左腕には強化型ビーム・シールドが装備される予定であった。
ホワイトアーク隊への配備が想定されていたが、戦局が目まぐるしく変わりエンジェル・ハイロゥ攻防戦の時期も早まった為、戦場への投入は間に合わなかった。
リゼルN型
シャアの反乱時の戦闘記録から、「ニュータイプ能力者に限らず敵味方、両陣営でサイコフレームが使われていた場合、サイコフレーム自体の総量が多い陣営は戦況的有利性がある」と報告されていた。それを受けRGM-96X ジェスタとは別ラインでユニコーンシリーズの随伴機として計画されたのがRGZ-95N リゼルN型である。
C型機をベースにコックピットの周辺とバックパックにサイコフレームを搭載。サイコミュ技術を応用してパイロットの反応速度や機体制御能力を引き上げることで、リーダー機たるユニコーンシリーズへの追従性と連携運用の向上を主目的に設計された。また選抜された搭乗パイロットにニュータイプ適性がなかったとしても、サイコフレームを介してリーダー機が本機をファンネルのように遠隔コントロールする運用方法も計画されていた。
ガブスレイβ
グリプス戦役中期に投入された可変MS/MA(TMS/TMA)の戦果を受け、ティターンズ内ではTMS及びTMAのみで構成された部隊の設立が策定された。その指揮官機として計画された機体がドゴス・ギアのニュータイプ部隊でも運用されたRX-110 カブスレイの流れを汲むRX-110B ガブスレイβである。ベース機となるRX-110はムーバブル・フレームを利用した複雑な変形構造から生じる整備性やコスト面の問題から量産は見送られたが、MS/MA両形態での基本性能の高さから再設計された。
変形構造はベース機のまま、頭部は指揮官機に必要なセンサー類を強化。主兵装には遠距離砲撃性能を強化したフェダーイン・ライフルMk2と、MA形態時での推進機能を合わせ持つマルチ・シールドが用意された。また肩部のメガ粒子砲をオミットした代わりに、ベース機にはなかった実弾兵装としてミサイル・ポッドを腰部に増設している。
グリプス戦役後期のティターンズ、エゥーゴ、アクシズの三つ巴の戦いに本機を指揮官機にした部隊が投入されている。
量産型ガンキャノンⅡ
地球連邦軍再建計画内の中距離支援機の開発プランにおいて、特に有力視されたのがオーガスタ基地で開発されたRX-78NT-1 アレックスをベースにしたRGC-83 ジム・キャノンⅡであった。その対抗馬として用意されたのがこのRX-77D-4 量産型ガンキャノンⅡである。
本機は基本性能の底上げの為に一年戦争で最も高いスペックを誇るRGM-79SP ジム・スナイパーⅡをベースに、RX-77-4 ガンキャノンⅡのパーツを組み合わせている。これはRGM-79SPの持つ精密射撃用レーザー・センサーと電子工学式高倍率カメラを活用し、射撃特性を向上させる目的があった。兵装面では両腕部に次世代ビーム兵器の充電仕様の一つであるEパック方式を採用したシールド一体型の二連ビーム・キャノン、左背面にはRX-77-4のビーム・キャノン、右背面には計測・索敵用の大型レドームが装備された。
しかし、コンペの結果、次世代中距離支援機の座はRGC-83が射止め、RX-77D-4は量産検討機で終わることになった。
ジェガンH型
U.C.0089に生産開始されたRGM-89 ジェガンA型を筆頭に、汎用性や操作性に優れている点が評価されたRGM-89シリーズは地球連邦軍の主力MSとして活躍していたが、戦場のエース級パイロットからはより高スペックの機体配備を望まれる声も少なくなかった。そこでU.C.0094から配備が開始された改良モデルのRGM-89D ジェガンD型をベースに特殊部隊用として強化されたのがRGM-89H ジェガンH型、通称ダッフル・ジェガンである。
RGM-89Dと同じムーバブル・フレームを使用しているが、頭部及び各部外装はほぼ新造に近い形状となった。大型化したバックパックのスラスター出力によってモビルアーマー並みの加速力を誇り、機体とメインスラスター部の間に可動域を追加したことで推力偏向機能も強化されている。サブ・フライト・システムなしでの単機による高速戦闘を可能とし、主兵装であるビーム・ライフルには継続戦闘能力の強化が図られ、腰左右のウェポン・ラックには予備Eパックが装備された。また脚部にはマルチ・ミサイル・ポッドを装備することにより、そのスラスター性能を活かした宇宙用モビルアーマー同様のヒット&アウェイを主な戦法とした。
しかし可変モビルスーツのRGZ-95リゼルの制式採用により、少数が生産されたのみに留まったと言われているが、この機体の系譜はRGM-89R ジェガンR型へと繋がっていった。
リゼルN型ディフェンサーgユニット
AE社で進められていた独自のUC計画の研究において、RGM-96X ジェスタとは別ラインでユニコーンシリーズの随伴機として計画されたのが、コックピット周囲にサイコフレームを搭載したベース機のRGZ-95N リゼルN型である。本機はRX-0 ユニコーンガンダム2号機 バンシィとの連携運用を想定して計画された装備バリエーションの一つであり、専用のディフェンサーgユニットを装備している。
このユニットの特徴はバンシィでの運用試験にて一定の結果を残したアームド・アーマーVNの技術を組み込んだVNインコムを搭載している点にある。通常時は有線式の遠隔射撃兵装として機能し、疑似NT-D発動時には各部が展開することでサイコフレームの強靭性を利用した超振動破砕兵装として使用することが可能となる。
近~遠距離まで全領域対応が可能な兵装ではあるが、疑似NT-D発動時の身体的負荷が大きい点から強化人間パイロットの搭乗が前提となっている。しかし、それらの情報が地球連邦軍に開示されているかは定かではない。
ゲルググL
MS-14A ゲルググはビーム兵器を扱える量産機として生産された。一方で推力と運動性を活かし、広範囲に被害を出さない大槍で迎撃対応するというアプローチによって生み出された親衛隊仕様機──それがMS-14L ゲルググL(ランツィーラー)である。要人護衛のためにMS-14Aへ簡易バックパックを装備することで推力強化を図り、さらにヒート・ランスにもサブスラスターを内蔵することで白兵戦距離での突撃時の威力を高めている。またランスチャージ(ランスを構えての突撃戦法)中の耐久力を確保するため、大型のシールドが装備された。装備がヒート・ランスと大型シールドのみという偏った設計コンセプトは、ロイヤルガードの機体へと連綿と続いていくことになる。ア・バオア・クーにも持ち込まれたが、機種転換の時間がなかったためベテラン兵ではなく学徒兵が乗ることになったと言われている。
アサルト・マラサイ
RMS-108 マラサイは「複数のビーム兵装の同時運用を可能にし、汎用性と生産性を兼ね備えた機体」として兵士から好評だった。操縦性の良さもありティターンズのパイロットからは「RMS-108をベースとした改良機」が求められた。その結果、改良されたのがRMS-108M アサルト・マラサイである。
主兵装にはRMS-106CS ハイザック・カスタムの武装であるビーム・ランチャーのショートバレル型を採用。ロングバレル型より狙撃性能は落ちたが高火力はそのままに、MS戦での汎用性を高めている。
シールドは片手装備に変更しており、その代わりに両肩にはミサイル・ポッドを装備。胸部スラスターは急制動をかける機構であり、可変機を除いた高機動機の中でもピーキーな仕様となっている。
ティターンズのエースパイロットに優先的に配備される計画だった為、ティターンズカラーである濃紺の機体色となった。
高い要求に応えた本機だったが、AE社製のためメンテナンス性にトラブルが発生しやすく、やむなく新造MSを受領する者がほとんどであった。
ネモ・ベラトール
グリプス戦役後半、戦場の主な舞台が宇宙に移りティターンズ陣営が複数の新型MSなどを導入してきたのに際し、エゥーゴ陣営の戦力強化が検討された。迎撃用として開発されたMSA-003 ネモの空間戦闘能力強化プランが発案されエース仕様のハイマニューバータイプに併せて開発されたのが、MSA-003NM ネモ・ベラトールである。
機動性・姿勢制御能力を強化するためにMSA-099 リック・ディアスのメインバーニア・バインダーを装備。改修の際に調達しやすかったとされる。脚部はMSN-00100 百式のカーフスラスターをフィードバックしており、戦場を問わず安定した性能を誇った。武装ではAE社で開発を引き継いだメガ・ビーム・ライフルを採用することで火力強化も図られている。
前衛向けの改修がされたことで戦士に擬えて『ベラトール』の名前が与えられた。
ガザCZ
AMX-102 ズサの量産化の成功により、ネオ・ジオン軍では第二線送りとなったAMX-003 ガザCをベースに爆撃支援機として転用する計画が立てられた。
急造機ながら、MA形態による機動力と火力を特化させ、ガトリングやミサイルなどの実弾装備へ換装している。代わりにナックル・バスターは外された。
主武装として右腕部にはガトリング・ガンとその弾倉、左腕部には筒状コンテナに収納された6連装中型ミサイル・ポッドを装備。これらは作戦の用途に合わせ組み替えて運用することが可能となっている。ズサ・ブースターの肩部ミサイル・ポッドを流用しており、強襲能力の向上に成功している。グレミーの反乱が起きたことでハマーン戦争では殆ど確認されていない。
アングリフ・ドーガ
拠点攻略用に装備を追加した AMS-119 ギラ・ドーガ。プロペラントタンクの増設やシールドの手持ち装備化、肩部バーニアの追加により機動性を活かして拠点制圧などの作戦にあたったとされている。
Iフィールドなどの防御兵装への対策として非ビーム兵器のジャイアント・バズを装備。トライ・ブレードは近・中距離戦用に追加され、フレア(デコイ)として活用することも可能。
拠点に対する赤外線誘導ミサイルなどを無力化することが主な用途として想定された。
いずれの追加武装も既存機体から流用している。基本コンセプトを MS-06 ザクⅡに立ち返った AMS-119 の特性を生かし、換装の容易さや汎用性を追及した結果、ジオン系武装の流用性の高さを実証することに繋がった。
スパーブ・ジェガン
シャアの反乱時に主力機RGM-89 ジェガンを対艦攻撃機の一つとして検討されたプラン。
短期決戦用としてロンド・ベル隊でのストックパーツが考慮されていたため、新規パーツや兵装は少ないものの実戦データから導かれたコンセプトになっている。
主兵装は本機用に調整したハイパー・メガ・ランチャーを装備。ジェネレーターも同時にB型と同規格に換装されている。機動力と推進力についてはRGM-89のバックパックにMSR-100S 百式改のスラスターユニットを組み合わせて強化を図っている。ビーム・サーベルは左腕へボックスユニット化し、副兵装のビーム・ライフルはマウント位置を変更したことで取り回しを向上。またRGM-88X ジェダの胸部パーツをベースに追加装甲としている。
機動性と装甲、火力を強化したことで性能は通常機より向上しているが、急造機となるため、RGM-89Sスターク・ジェガンまでの繋ぎと想定された。
アクト・ハイザック
ニュータイプ研究所仕様のRMS-106 ハイザック。ベース機のRMS-106は地球連邦軍の主力機として生産され様々な部隊に配備され、グリプス戦役時にはティターンズ陣営に付いてエゥーゴやカラバ追撃に運用された。
外見や装備は通常のRMS-106と共通するものが多いが、MS-11 アクト・ザクや可変MAとの連携をとるためにマグネット・コーティング仕様として開発されている。また、中身が刷新されたためRMS-106AN アクト・ハイザックという別名を与えられた。
可変MA機の中距離支援用として主に実体弾主体の兵装で固めており、主兵装のハイパー・バズーカはRX-78-2 ガンダムが使用していたブラッシュ社製の改良型である。一年戦争で広く使われた兵装であり、性能が保証されていた点が採用の決め手だった。ミサイル・ポッドはマウント位置を腰部から腕部へ変更。腕部の方が照準を合わせやすく、中距離支援により適していたとされる。
ジムⅡ・ウェポンテスター
フェダーイン・ライフルやショック・ワイヤーなど、その後のティターンズ陣営の地球連邦製MSに採用される武器の試験評価を行ったとされている機体。
RMS-179 ジムⅡは当時の地球連邦製主力MSの中でも特に生産数が多く、汎用量産機であったことから試験機体として抜擢された。ティターンズの新兵器開発用MSとしての側面が強かったため、機体色はダークブルーを基調としたティターンズカラーにペイントされている。
試作型フェダーイン・ライフルには射撃時と近接戦時の使い分けを考慮して折りたたみ機構付きのグリップを採用したが、木星船団からの技術を経て正式採用時にオミットされた。
ショック・ワイヤーは小型シールドに内蔵する提案がなされ、機能面での成果はあげることができた。しかし取り回しの面での改善が検討され、マニピュレータで使用できるオプション装備という形に帰結し、携行武器──海ヘビへと姿を変えたのだった。
ガトー専用リック・ドム
ジオン公国の宇宙用量産型MSで、陸戦用重MS「ドム」のホバー機能をスラスターに、脚部のエンジンを熱核ロケット式に換装する事で宇宙用に改修した機体。中でも一部のリック・ドムは、MS携行式のビーム兵器運用試験の為、ジェネレーターが強化された上で、試作品であるMAの高出力ビーム砲を転用した「ビーム・バズーカ」と呼ばれるビーム兵器を持たせた機体が存在するが、この兵器の実戦運用においては冷却面などの不安要素が多く、さらに大量生産も不可能だった事にから、ごく一部のベテランパイロットのみに配備された。本機はその内の1機で、MS全体を「ソロモンの悪夢」の異名を持つ「アナベル・ガトー」のパーソナルカラーに変更した専用機となっている。
ジムⅢパワードFA
地球連邦軍の主力MSであるジムⅢをベテランパイロット用に強化改修したバリエーション機であるジムⅢパワードに、FSWS計画の流れをくむ強化パーツを装着した状態。
ジムⅢパワードは、頭部に複合センサー内蔵の耐弾バイザーユニット、胴体にビーム・コーティング装甲、さらにショルダー・スラスターを増設することで、防御面と機動性を向上させた機体となっていた。
本機は、コスト的問題で少数生産のみとなっていたフルアーマーガンダムの延長線上にあたるジムⅢ用の汎用オプション装備である重装甲&重火力強化パーツを完全装着した状態であり、その外観から「ブルドック」の愛称で呼ばれる。
重厚な見た目と異なって機動性も決して低すぎることはなく、高出力と重武装により、長距離から近距離まで戦闘距離を選ばずに、相対した敵に押し負けない攻撃的な戦闘スタイルをとれる機体となっている。
サイコミュ試験搭載用ザクⅡ
ニュータイプ用MSであるジオングのテスト機として、試作された機体。ニュータイプと言われる者の発する感応波は、ミノフスキー粒子を振動させて周囲に伝達する特性をもつことが判明し、能力保持者の意思を受信、増幅し、複数の異なる機器に伝え軍事利用するシステム「サイコミュ」が開発された。ジオングの中核となるこのシステムと、有線式のメガ粒子砲をテストするためにザクIIを利用して開発が進んだが、メガ粒子砲用にジェネレーター出力が強化され、高機動戦闘用にスラスターが増設されるなど過程で、外観はザクIIから大きくかけ離れたものとなった。本機はあくまでジオングのテスト機で、実戦配備予定がなかったこともあって正式名称が不明瞭であり、プロジェクト名の「ビショップ計画」からコードネームで「ビショップ」と呼ばれたり、「サイコミュ・システム試験用ザク」「Zタイプ・ザク」など様々な呼び名を持つ。
エンゲージゼロ・追加ブースター装備型
『ガンダム開発計画』のフォロー機として開発されたエンゲージゼロに、大推力の追加ブースター・ポッドを装着した形態。
偶然から実戦運用されることとなったエンゲージゼロへ、旧ジオン軍残党によるテロリスト部隊の掃討作戦用として、さらなる機動力を確保することが検討された。
開発スタッフの発案により、背面に大推力の追加ブースター・ポッドを装着することが決定したが、爆発的な加速性能を得られる代わりに、高G耐性のないパイロットでは失神してしまう機体となってしまった。
これにより、テロリスト部隊の一撃離脱戦法にも対応ができるようになったものの、モビルアーマーでの高機動戦闘経験を持つペッシェですら、ブースター点火からの稼働時間は3分が限度とされた。
高機動型ケンプファー
一年戦争末期に開発されたジオン公国軍のケンプファーを、一撃離脱戦法に特化した高機動型としてカスタマイズした機体。
パイロットは旧ジオン軍残党のテロリスト、ミチェル・カノ。
ケンプファーはもともと強襲用の重モビルスーツとして設計されており、同時期に開発されたモビルスーツと比べても極めて高い機動性を有しているが、本機はそのケンプファーを改造し、アナハイム・エレクトロニクス社(以下、AE社)がGP計画で開発したシュツルム・ブースター・ユニット3基を装着させることで、さらなる高機動性能を獲得している。
それ以外にも、本機は内部パーツが全面的にオーバーホールされており、特徴的なシュツルム・ブースター・ユニットをはじめ、GP計画からの試作パーツが多数流用されており、AE社とテロ部隊との繋がりを強く疑われる結果となった。
高機動型ケンプファー
一年戦争末期に開発されたジオン公国軍のケンプファーを、一撃離脱戦法に特化した高機動型としてカスタマイズした機体。
パイロットは旧ジオン軍残党のテロリスト、ミチェル・カノ。
ケンプファーはもともと強襲用の重モビルスーツとして設計されており、同時期に開発されたモビルスーツと比べても極めて高い機動性を有しているが、本機はそのケンプファーを改造し、アナハイム・エレクトロニクス社(以下、AE社)がGP計画で開発したシュツルム・ブースター・ユニット3基を装着させることで、さらなる高機動性能を獲得している。
それ以外にも、本機は内部パーツが全面的にオーバーホールされており、特徴的なシュツルム・ブースター・ユニットをはじめ、GP計画からの試作パーツが多数流用されており、AE社とテロ部隊との繋がりを強く疑われる結果となった。
エンゲージゼロ・サイコミュ試験型
『ガンダム開発計画』のフォロー機として開発されたエンゲージゼロだったが、デラーズ紛争の影響により、その存在は抹消された。
しかし、極秘裏にそのフレームと稼働データはアナハイム・エレクトロニクス社から地球連邦軍ニュータイプ研究所へと移管され、サイコミュ搭載実験機として全面改修されることとなった。
その後、様々な経緯から旧ジオン公国出身の科学者、ローレン・ナカモト博士の協力を得て、彼が移籍した際に評価試験はオーガスタ研究所で行われることとなり、最終的に開発ナンバーはORX-00Zで登録された。
なお、テストパイロットにはアナハイム・エレクトロニクス社からの出向という形で、ペッシェ・モンターニュが引き続き務めている。
大幅な偽装も兼ねた改修にあたり、旧ジオン公国軍の『ビショップ計画』で培われたサイコミュ技術が多数導入されたほか、リニアシート、全天周囲モニター、ムーバブル・フレーム技術などの最新技術が投入されたことで、エンゲージゼロは新しく生まれ変わっている。
メイン武装は、両腕のマニピュレータ外側に装備された有線誘導式6連装メガ粒子砲で、これはジオングの腕部5連装メガ粒子砲を発展させたものであり、サイコ・ガンダムシリーズなどと同様に、サイコミュ制御によるオールレンジ攻撃を可能としている。
エンゲージゼロ・インコム搭載型
デラーズ紛争終結後、旧ジオン公国軍の残党狩り部隊として結成されたティターンズは瞬く間に勢力を拡大し、地球連邦軍の所管だった各ニュータイプ研究所も、ティターンズの影響を大きく受けることとなった。これまで分断されていた各ニュータイプ研究所の間でも、ティターンズ主導のもと情報交換が行われ、その一環として、エンゲージゼロ・サイコミュ試験型には、新たに『インコム』の技術が組み込まれることとなった。 『インコム』とは、準サイコミュを利用した有線式の遠隔操作攻撃端末のことであり、これにより、ニュータイプ能力を持たない一般のパイロットであっても、疑似的なオールレンジ攻撃を可能としている。しかし、サイコミュを搭載した大出力の有線式メガビーム砲などとは違い、インコムユニットは小型軽量化によりエネルギー出力が少なく、重力の干渉を受ける地上では、特に運用に著しい制限を受ける
エンゲージゼロ・ヨンファヴィン
エンゲージゼロ・インコム搭載型は、ペッシェ・モンターニュの判断により旧知のネオ・ジオンスタッフへ引き渡され、解析・分解された。
サイコ・ガンダムMk-ⅡやガンダムMk-V、ペイルライダー同様にネオ・ジオンの新しい技術ソースとなったエンゲージゼロは、この機体の遺伝子を持つ新しい機体へと生まれ変わった。これにより、設計当初からエンゲージゼロが目指した、旧ジオン公国軍の『ビショップ計画』から端を発するサイコミュ技術と、地球連邦軍のフラッグシップ機たるガンダム開発技術の融合(エンゲージ)というコンセプトは、ついに完成を見たと言える。
エンゲージゼロ・ヨンファヴィンは、最新のオールレンジ兵器技術と最速の高機動ブースターを備えた機体として開発された。最大の特徴は、無線式のオールレンジ兵装『レモラ・ファンネル』の搭載であり、これはキュベレイに搭載された『ファンネル』を発展、改良した兵器である。『レモラ』とはコバンザメを意味する言葉で、その名の通り、通常時は機体の腰の両側にコバンザメのように連なってマウントする。攻撃時には、これら計10基のレモラユニットが展開し、サイコミュ制御によるオールレンジ攻撃を可能としている。レモラ・ファンネルはエネルギーCAP技術の向上によりメガ粒子砲並みの出力を確保された一方で、チャージ時間や展開速度では若干キュベレイタイプのファンネルには一歩譲ることになった。また、背面にはジャムル・フィンとして組み立てる際に用意された大推力スラスターをマウントしており、エンゲージゼロが持っていた機体本来の高機動性能を開花させている。
エンゲージゼロ・ヨンファヴィン
エンゲージゼロ・インコム搭載型は、ペッシェ・モンターニュの判断により旧知のネオ・ジオンスタッフへ引き渡され、解析・分解された。
サイコ・ガンダムMk-ⅡやガンダムMk-V、ペイルライダー同様にネオ・ジオンの新しい技術ソースとなったエンゲージゼロは、この機体の遺伝子を持つ新しい機体へと生まれ変わった。これにより、設計当初からエンゲージゼロが目指した、旧ジオン公国軍の『ビショップ計画』から端を発するサイコミュ技術と、地球連邦軍のフラッグシップ機たるガンダム開発技術の融合(エンゲージ)というコンセプトは、ついに完成を見たと言える。
エンゲージゼロ・ヨンファヴィンは、最新のオールレンジ兵器技術と最速の高機動ブースターを備えた機体として開発された。最大の特徴は、無線式のオールレンジ兵装『レモラ・ファンネル』の搭載であり、これはキュベレイに搭載された『ファンネル』を発展、改良した兵器である。『レモラ』とはコバンザメを意味する言葉で、その名の通り、通常時は機体の腰の両側にコバンザメのように連なってマウントする。攻撃時には、これら計10基のレモラユニットが展開し、サイコミュ制御によるオールレンジ攻撃を可能としている。レモラ・ファンネルはエネルギーCAP技術の向上によりメガ粒子砲並みの出力を確保された一方で、チャージ時間や展開速度では若干キュベレイタイプのファンネルには一歩譲ることになった。また、背面にはジャムル・フィンとして組み立てる際に用意された大推力スラスターをマウントしており、エンゲージゼロが持っていた機体本来の高機動性能を開花させている。
マグナ・マーテル
ネオ・ジオン軍が開発した、次世代型実験機。
機体名は、ギリシャ神話の地母神『キュベレー』から派生したローマ神話の地母神『マグナ・マーテル』を由来としており、本機がキュベレイシリーズの上位互換機であることを意味している。
量産型キュベレイと9割同じユニットを使用しており、強力なサイコ・ウェーブを放てる強化人間仕様として、パイロットの肉体を限界まで酷使しても機体が追随できる機能が搭載されているが、プルシリーズでは肉体的に扱えないため、実質的にセリーヌ・ロムの専用機となっている。
本来ならば、量産型キュベレイ部隊の隊長機の一角として運用する予定だったが、セリーヌがグレミー軍から離れ、ペッシェ・モンターニュとの決着を望んだため、量産型キュベレイ部隊はクィン・マンサの随伴機として、最終決戦において大量投入されている。
火力、機動力ともに出力が強化されており、リンク・サイコミュを起動中の量産型キュベレイ部隊が相手でも、単機で圧倒するほどの戦闘能力を見せつけた。また、高機動戦闘においても、モビルアーマー並みの機動力を誇るエンゲージゼロ・ヨンファヴィンに対して、互角の戦いを演じてみせた。
マグナ・マーテル
ネオ・ジオン軍が開発した、次世代型実験機。
機体名は、ギリシャ神話の地母神『キュベレー』から派生したローマ神話の地母神『マグナ・マーテル』を由来としており、本機がキュベレイシリーズの上位互換機であることを意味している。
量産型キュベレイと9割同じユニットを使用しており、強力なサイコ・ウェーブを放てる強化人間仕様として、パイロットの肉体を限界まで酷使しても機体が追随できる機能が搭載されているが、プルシリーズでは肉体的に扱えないため、実質的にセリーヌ・ロムの専用機となっている。
本来ならば、量産型キュベレイ部隊の隊長機の一角として運用する予定だったが、セリーヌがグレミー軍から離れ、ペッシェ・モンターニュとの決着を望んだため、量産型キュベレイ部隊はクィン・マンサの随伴機として、最終決戦において大量投入されている。
火力、機動力ともに出力が強化されており、リンク・サイコミュを起動中の量産型キュベレイ部隊が相手でも、単機で圧倒するほどの戦闘能力を見せつけた。また、高機動戦闘においても、モビルアーマー並みの機動力を誇るエンゲージゼロ・ヨンファヴィンに対して、互角の戦いを演じてみせた。
連邦軍の汎用試作型MS。サナリィのMS小型化計画の集大成ともいえる機体。背部に新型のバックパックを増設し、ヴェスバーを2基追加。合計4基を装備している。この改良型ヴェスバーには補助スラスターが搭載しており、推力をさらに向上させる効果もある。
ユニコーンガンダムが「NT-D」と呼ばれるシステムを発動した状態。
機動性能を中心に機体の能力があらゆる面で向上するが、その反面パイロットにかかる負担は極めて大きく、この状態での稼動は約5分前後が限界とされている。
腕部には専用のハイパー・メガ・ランチャーが装備されている。
ヨナ・バシュタが搭乗するアナハイム・エレクトロニクス社製MS。
『不死鳥狩り』作戦にはルオ商会の力を借り、複数の武装を換装して運用する。
本武装は有線式のシールド・ビーム・ガトリングが装備されたB装備の別形態となっている。
V2ガンダムにアサルトパーツとバスターパーツの両方を装備した機体。強力な火器に加えて鉄壁の防御力を備えており、火力、機動力、防御力のいずれにおいても並外れた性能を持つ究極のMSである。
さらにハンドキャリーが可能で、取り回しの良い大口径ビームキャノンを追加装備。変形後チャージすることによりさらに大出力のビームを放つことができる。
エゥーゴの攻撃用試作型可変MS。「Ζ計画」によって開発されたMSで、軽量かつ堅牢な新素材「ガンダリウムγ」や高出力の超小型核融合炉などに加え、ティターンズから強奪したガンダムMk-Ⅱがもたらした「ムーバブル・フレーム」の技術によって完成した超高性能機である。
追加武装として、右腕にはクロー型のIフィールド発生装置、左腕には実体剣を装備してる。
実体剣はビーム・ライフルとして使用することも可能である。
エゥーゴの汎用試作型可変合体MS。ガンダムのコア・ブロック・システムとGパーツ構想、Ζガンダムの変形機構を1機のMSに凝縮した機体である。それに合わせてジェネレーターも2基搭載されたため、強力なビーム兵器を多数装備している。
バックパックからマウントしている右肩のハイパー・ギガ・カノンは大出力の大口径ビームであり、面攻撃を想定している。
連邦軍のニュータイプ専用試作型MS。アムロ・レイの基礎設計をもとに、アナハイム社が開発建造した機体。コクピット周辺にサイコフレームが組み込まれ機体の追従性は極めて高い。
フィン・ファンネルをオミットし、長距離用のハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーとロングレンジ・フィン・フィンファンネルが装備されている。
史実においては、ガンダム試作0号機“ブロッサム”を元に開発が進められた『ガンダム開発計画』だが、もしもエンゲージゼロの技術が採用され、ブロッサムと双方の要素が融合(エンゲージ)した機体が完成していたら、という歴史上のIF機体。高性能な万能機を目指したブロッサムと、高機動戦闘を主眼に置いたエンゲージゼロの双方の特徴を取り入れる結果となり、汎用モビルスーツとしては非常に高い完成度を誇る。
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、耐久力向上をコンセプトに強化したエンゲージガンダム換装プランのIF機体。
NT-1アレックスで採用されたチョバム・アーマーに対し、本機体は完全に機体に増加装甲という形で着脱不可で装着されており、FSWS計画の意向が強く現れている。
装甲が強化された反面、武装面については乏しく、携行用のビーム・ライフルは使用可能だが、ビーム・サーベルも設計上廃止されている。
一方でコア・ファイターについては素体同様に重装甲になりつつも、スラスター部が強化されており、機動性は大きく損なわれていない。
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、後方支援機をコンセプトに強化したエンゲージガンダム換装プランのIF機体。機動力・継戦能力を犠牲にし、高火力武装を多数搭載している。
ランドセルのビーム・サーベルを廃止し、V作戦で支援機として活躍したガンキャノンやガンタンクの肩部キャノン砲のデータを参考に、高出力のビーム・キャノンを装備。
その他の武装として、2連装ビーム・ライフルをベースにした腕部ビーム・キャノン、ザクIIの脚部3連装ミサイル・ポッドを参考に新造した4連装ミサイル・ポッドを装備している。
コア・ファイター形態でもビーム・キャノンが使用可能となっており、コア・ファイター単体でも高火力支援機として活躍できるレベルの火力を備えている。
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、支援戦闘機との合体による性能向上をコンセプトに強化したエンゲージガンダム換装プランのIF機体。火力、防御力、航続距離を強化したプランとなっている。
エンゲージガンダムは素体そのままで、コア・ファイターをG・ディフェンサーを参考に重点的に強化した形態でありスーパーガンダムにあった合体機構は廃止されている。
主な武装はコア・ファイターに装備された長砲身のビーム砲であるロング・ライフル。
他武装としてサイドユニットにはミサイル・ポッドを装備。
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、高機動戦闘をコンセプトに強化したエンゲージガンダム換装プランのIF機体。機動力が上昇する追加ブースターを装備。 追加ブースター自体はコア・ファイターが装備しており、コア・ファイター状態でも追加ブースターは使用可能となっている。 加速や最高速については申し分が無い一方、ユニバーサル・ブースト・ポッドで採用されていたフレキシブル・ジョイントなどは採用されておらず、姿勢制御や機動性、運動性についてはGP01フルバーニアンに劣る。 なお、コア・ファイターに追加装備された大型ビーム・サーベルはビーム・キャノンとしても使用できる。
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、準サイコミュ兵器搭載をコンセプトに強化したエンゲージガンダム換装プランのIF機体。ニュータイプや強化人間が搭乗することをベースに設計されている。
改良点として、エンゲージゼロインコムタイプでは両腕に有線メガ粒子砲を装着しており、マニュピレータとして十分な運用ができなかったため、メガ粒子砲はコア・ファイター側へと移設された。
移設の際メガ粒子砲は、サイコミュで運用する無線式に改良され、射出し敵を攻撃する以外にもコア・ファイターに装着したままでメガ粒子砲としての運用も可能となっている。
ビーム・サーベルは大型化され、ビーム・カノンでの運用をメインとした。
敵をホーミングし自動で攻撃を行い、エンゲージガンダムのアシストも可能としている。
ビーム・カノンはビーム・サーベルとしても使用可能。大型化しているため高出力となっているが振り回すことは難しくなっている。
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、サイコミュ兵器搭載をコンセプトに強化したエンゲージガンダム換装プランのIF機体。エンゲージゼロで研究・運用されたレモラファンネルを装備。 ファンネルの性能自体はエンゲージゼロのものと大差はなく、両肩に各5基、腰後部に3基の合計13基搭載。両肩のファンネルは腕部の稼働にあわせて自動で稼働し干渉しないように設計されている。 腰部についても細かい改修が施されている。ファンネルを腰部に装着するにあたり、フロントアーマーおよびリアアーマーが大型化され、腰部再度アーマーにもファンネルを装着することができる形状となっている。 膝裏には大出力のスラスターを装着、膝部のタンクについても容量を大型化し、高機動戦闘を前提とした改良も施された。
エンゲージガンダムが設計・運用されており、ネオ・ジオンの技術が流用されていたら、という換装プランのIF機体。
当時のネオ・ジオンの技術や意匠を大きく取り入れた形の設計となっており、頭部については外部装甲を増設し、ツインアイカメラが独自のモノアイカメラに変更されているため、素体のエンゲージガンダムとは一見では判別がつかないほど改修されている。
コアブロックシステムはオミットされ、追加の武装や外装外装を各部位に増設された。
ネオ・ジオンで開発されたハンマ・ハンマの予備パーツを元に参考・再設計されており小型化を目指している過去のエンゲージガンダムは追加装備による強化が見られたが、エンゲージハンマは固定装備によって素体の比較にならないほど機動力・火力強化されている。
エンゲージガンダムが設計されていた場合の、BWS(バック・ウェポン・システム:脱着式宇宙戦闘装備)による運用をコンセプトに強化したエンゲージガンダム換装プランのIF機体。 コア・ファイターは大型のメガ粒子砲を搭載した機首および主翼を装着し、一回り大きくなった戦闘機形態となっている。この状態のコア・ファイターを装着することでエンゲージガンダムは長距離単独飛行が可能となる。 コア・ファイターの改良以外には脚部ブースターが装着され、本ブースターは飛行形態時はメインスラスターとして、MS形態時は高機動移動用として機能する。
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、今までの換装プランを複数統合した換装プランのIF機体。重装甲・砲撃をコンセプトとしている。 全身を覆う追加装甲と大型ビーム・キャノンの装備による重量化による機動性低下を補うためにスラスターの増設及びバックパックのバーニアの大型化している。 増設された装甲には胸部、肩部、背面に装備されたミサイルポッドや腹部にハイメガキャノンが装備されており、フルアーマープランの中でもトップクラスの火力を保有している。
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、今までの換装プランを複数統合した換装プランのIF機体。ファンネル装備に追加装備を加えたニュータイプ専用機として設計された。 レモラファンネルを両肩部、腰部に装備。腕部に装着されたビーム・キャノンはビーム・サーベルとしても使用できる。 追加装甲の及びファンネル搭載による重量化の心配もあったが、改良された背部ブースターによってファンネルを全て搭載した状態でも機動性を損なわれない。
エンゲージガンダムが設計・運用されていた場合の、今までの換装プランを複数統合した換装プランのIF機体。ビーム兵器・実弾兵器問わず対応できる強固な防御力を求めた設計プラン。
新装備であるビーム・シールドをエンゲージガンダムに搭載するためにエネルギー効率の向上を目指し設計の基礎から大きく見直され同型フレームながら大幅な軽量化に成功している。
他プランと同じく同世代のMSと肩を並べられる機動性の確保のために各部スラスターを装着している。
ビーム・シールドとの併用の為にビーム・ライフルも本機のために新規で開発されており、こちらも同世代MSのビーム・シールドに対抗できる出力を要している。
シャアの反乱時、アムロ・レイ大尉の発案で造られた攻防一体のサイコミュ兵器「フィン・ファンネル」は、サイコフレームと組み合わせることでニュータイプ能力の増大による良好な戦果が観測されていた。しかし戦果は良好であるものの、サイコミュ兵装の開発におけるフィン・ファンネルのデータは決して十分とは言えず、RX-94量産型νガンダムでの採用を前に実用プランの立案及びデータ収集の為に先行生産されたのがこのRGM-89NT-1 ロズウェル・ジェガンである。
ベース機体には高い汎用性を持つRGM-89 ジェガンA型が採用され、コックピットブロックの一部にはサイコフレームも搭載された。実用試験においてはシャアの反乱時に観測されたフィン・ファンネルの戦果には及ばないものの、従来のサイコミュ兵装を上回る結果を残し、偶発的なものかと思われていたIフィールド・バリアの展開にも成功。これらのデータはIフィールドに繋がるAE社の研究を大きく前進させる結果をもたらした。
コスモ・バビロニア建国戦争を期にMS開発競争が活発化。サナリィの後塵を拝したAE社は過去に蓄積された技術を再編することで、フォーミュラー計画を上回る性能を有した機体開発を画策した。その中で社内の独自コンペに提出されたのがMST-99 九十九式であり、機体コンセプトはグリプス戦役時に「百年使えるMS」との願いを託されたMSN-00100 百式をU.C.0120年代に向けてアップデートするというものだった。MST-99の特徴はムーバブル・フレーム構造を利用して脚部を変形させ、ブースター・ユニットを増設することで本機、MST-99A 強襲用九十九式に換装できる点にある。武装としては70mmアサルトガトリングを装備し、バックパックのハード・ポイントには各種ミサイル兵装などを内蔵したウェポン・コンテナをマウントしている。その名の由来はニホンにおける「九十九」即ち「永劫とも思える時間・経験」や「多様性」から引用されており、このチームがMSN-00100からどれほど影響を与えられたか分かるほどである。
カラバの独力ではMSA-099 リック・ディアスの運用は難しいとされていたが、ルオ商会やAE社キャリフォルニア・ベース支部の協力により、実戦試作機MSK-008 ディジェの開発に成功する。陸戦用のこの機体は伝説の一年戦争のエース、アムロ・レイがキリマンジャロ攻略戦やダカール電撃戦などで搭乗し戦果を残したことで、カラバ開発という不信感を拭いさった。
その後MSK-008はエースパイロット向けに少数が生産され、個々の得意とする戦術や機体構成に合わせた改造が行われた。中でもMSK-008S/A ディジェ・アサルトパッケージと呼ばれるこの機体は僚機との連携を前提とした爆撃支援機として運用された機体である。
本体をS型と呼ばれる強化型へ改造し、肩や脚部などを改修。各部の増加装甲内にはFSWS計画からフィードバックされたミサイル・ポッドが内蔵され、上記運用に適した制圧能力を有している。また各ミサイル・ポッドは弾頭発射後に任意でパージすることでデッドウェイトを排し、可能な限り以降の継続戦闘の支障にならない様に設計された。
GSREX-210608 ザック・ポッドは、サイド2の新興商社のGSREX商会がジャンクから作成したハンドメイド・モビルスーツ。サイド1のジャンク屋であるゲモン商会の作業用MS ゲゼと比べて小型なミドル・モビルスーツサイズであり、ホビー用として売り出された。
大量生産が行われたMS-06 ザクⅡのパーツを流用している部分もあり、旧ジオニック社風のデザインでまとめられている為、主に旧ジオン公国軍系機体の愛好家向けに作られた商品だったが、ザックポッドという名称が連邦軍の手で開発されたRMS-106 ハイザックを想起させたことで今ひとつ受注数は伸びなかったようだ。
また、コロニー内での運用も可能なホビー機として開発された機体ではあるが、レプリカMS同様に過激な武装テロリストによって運用され、対艦ミサイルやザク・マシンガンを調達し装備した機体も現れた。これを受けてGSREX商会は製造を中止した。しかし実際に動くカスタム品を見たことでマニア向けのマーケットでザック・ポッドの価格は高騰。GSREX商会はマニア向けに少数再生産を行ったと言われている。
GSREX-110309 ボール・ボーイはサイド2の新興商社、GSREX商会が開発・販売を行うハンドメイド・モビルスーツの一機種。ジャンクから作りあげた本機は一年戦争時に活躍したRB-79 ボールをモチーフとし、GSREX-210608 ザック・ポッドとのセット販売や、地球連邦軍を得意先とする会社での運用を見越した商品展開が行われた。
サイド1のゲモン商会のゲゼと比較するとミドル・モビルスーツサイズ並に小さく、オリジナルのモビルポッドのボールとはサイズが異なるためパーツの互換性はない。しかしこの機体をベースに好事家が様々な改造を行っており、一年戦争仕様のミニチュアサイズのレプリカなども存在する。
ホビー機として開発されたボール・ボーイではあるが、過激な武装テロリストによって低反動キャノン砲や低出力のビーム・トーチを装備した実例も報告されている。
高い汎用性と拡張性を持つAMX-011 ザクⅢの拡張プランとして、開発段階から計画されていたのがこのAMX-011P ザクⅢサイコミュ装備型である。サイコミュ兵装を装備しつつも、整備性と互換性を維持した運用を目的としている為、一部パーツにはAMX-011S ザクⅢ改と共用のものが採用された。ファンネルを利用しての遠距離攻撃と合わせ、火力面の強化としてビーム・バズーカを装備。両肩のバインダーは同時期に開発されていたNZ-000 クィン・マンサの技術が一部転用されたとも言われている。
第一次ネオ・ジオン戦争末期に開発はほぼ完了していたものの、実戦投入を前に終戦を迎え、表舞台に登場することはなかった。しかし、シャア率いる新生ネオ・ジオンが積極的なニュータイプ専用機の開発を始めた頃にこの不遇な機体は再び注目され、サイコミュ兵装のテストベッドとして運用されることになった。
元々装備されていたファンネルから試作型の新型ファンネルへ換装され、この機体で得られたデータがAMS-120X ギラ・ドーガ サイコミュ試験タイプへフィードバックされた。
オークランド研究所製のTMA、NRX-044 アッシマーは円盤状のリフティング・ボディ構造により、大気圏内での高高度飛行時の機動性と低空での安定性を両立している点から性能面での評価は高かったが、通常MSと比べた際の生産コストの高さが一つの問題とされた。その中で検討されたのが別MSとの連携運用による新たな可能性である。 僚機として選ばれたのが次期汎用主力MSとしてニューギニア基地で開発されたRMS-154 バーザムである。RMS-154はムーバブル・フレーム機構を持ったRX-178 ガンダムMk-IIの汎用量産計画機とも言われており、次世代の主力機として様々な発展プランが検討され、その一つにNRX-044BZ ムーシカの計画は組み込まれた。 本機はNRX-044の変形機構として採用されていたドラム・フレーム構造をムーバブル・フレームに置き換える為にRMS-154を素体として利用。独自構造を廃することで生産の効率化を図る狙いがあった。機体特徴としてはNRX-044のパーツを流用した有人機のSFSムーシカ・ベースとRMS-154が状況に応じて分離・合体することで、耐弾性の向上と機動性の強化が図られている。
高い基本性能を持っていたRGM-79SP ジム・スナイパーⅡを再利用して作られた超長距離支援用MS。一年戦争以降に発展したSFSによって大気圏内でのMSの運用領域は空に広がり、空対地攻撃をも容易に行える兵器に推移した。この為U.C.0090後半になっても前線では未だに対空兵器として中距離及び長距離支援用の機体が必要とされていた。
本機は二十年の歳月により老朽化した機体をベースとしているが、高出力のロングレンジ・ビーム・ライフルの運用にのみ装備を絞った結果、携帯可能なサイズまでの小型化とバックパックへの一体化を両立。更に冷却材とエネルギーパックをワンユニットにしてリアスカートへ装備したことで数発ではあるが単独での連続使用を実現し、対空超長距離射撃を継続的に行うことが可能となった。
作戦参謀たるジレ・クリューガー大佐自らが搭乗するため、指揮官専用機のXM-05 ベルガ・ギロスを元に準備させていた機体。
権威を表す意味で左肩にはレリーフ造形の追加アーマー、各部位には飾緒などを模した装飾が加えられた。またジレ自らが率いる部隊については蒼色を基調にした部隊色でペイントされ、「蒼の部隊」として運用する計画であった。
しかしフロンティアIでの戦闘の最中、ラフレシア・プロジェクトの実質ナンバー1と2が戦死。後を引き継いだメンバーによってバグ稼働テストにおける問題点が検証された。
当時の戦略的失敗は自立式無差別攻撃兵器故の疎放さにより、子バグのキャリアー兼司令塔になっていた親バグが早期に撃墜されたことにあると判明。それを受け機体の両肩にバグを再利用したホッブバグを搭載し、親バグと子バグのコントロールの一部をMSパイロット下に置くことで戦略性を高める運用方法が考案された。
一年戦争時、 RX-78 の余剰パーツを基に二十数機生産されたRX-79[G]陸戦型ガンダムは、東南アジア戦線をはじめユーラシア大陸の各地に配備されたが、RGM-79ジムの配備・運用と合わせRX-79[G]の補給は打ち切られた。しかし、残された補給パーツを元に現地技術者達の知恵と努力により各戦線の特性に合わせた独自改造が施され、RX-79[G]は機種交換されるまで運用されたと言われる。
その中の一機、RX-79[G]Fスライフレイルは湿地帯や森林などの僻地での隠密活動を見越して改修が行われた。遮蔽物の多い森林での戦闘に合わせて、機体は隠蔽性の高い緑に塗り替えられ、ランドセルも軽量化。加えてパイロットの要請から、障害物を避けられる三節棍を模したビーム・ジャベリンを左右腰部の追加ラックに1本ずつ装備。2本を接続させることでロング・ビーム・ジャベリンにすることが可能となっている。
MS-07B-3 グフ・カスタムをベースに改造された機体がMS-07H-6 グフ・ホバータイプである。MS-07B-3ベースの機体はMS-07H-8 グフ・フライトタイプが有名であるが、このMS-07H-6はツィマット社から提供された熱核ジェット・エンジンのデータを使用することで、1G環境下でドムタイプ並の高速機動を実現。加えて、ベース機であるMS-07B-3が本来持ち得ていた白兵戦性能を引き上げるべく、左腕にはスラスター噴射の勢いを利用した打突武器ブーストナックルがマウントされ、前述のホバー走行と組み合わせることで一撃離脱戦法を可能とした。しかし、データ調整などの部分で開発は難航。完成は迎えたものの、その最中にキャリフォルニア・ベースが陥落。ジオン本国で開発されていた本機は地球に送られる事なく終戦を迎えた。
MSN-001 デルタガンダムから始まる可変MS(TMS)の系譜は量産試作機MSN-001A1 デルタプラスを経て、特殊装備の技術実証を目的にMSN-001X ガンダムデルタカイが開発された。MSN-001Xの機体性能は高く、n_i_t_r_o(ナイトロ) 搭載により一般兵士にもファンネルの運用を可能にしたが、そのシステム自体の詳細が非公表になっている点を疑問視する意見が多かった。そこで本機MSN-001Y ガンダムデルタアンスはサイコミュ系システムを搭載しない、MSNシリーズの一つの形として設計された機体である。
MSN-001A1にて確立した変形構造はそのままに、背面には大型の展開式スラスターユニットがマウントされ、必要に応じて出力の調整が可能となっている。主兵装としてはMSN-001Xの技術実証にて高評価を得たロング・メガ・バスターを装備。MS形態時での防御力の補助としてシールド内にはIフィールド発生装置が搭載された。
次々と投入されるベスパの最新鋭MS群に対してリガ・ミリティア側も戦力のボトムアップが求められた。マルチプルMSのLM314V21 V2ガンダムの開発には成功したがミノフスキー・ドライブの生産と実機調整が追い付かない為、LM111E02 ガンイージにLM314V21用に開発した増加パーツを転用して機体を改修するプランが策定された。
ベース機のジェネレーター出力のままでは追加ビーム兵装の使用が困難であった為、ミノフスキー・ドライブの一部技術を応用したオーバーテール・ユニットにジェネレーターを換装。しかし機体強度の問題が発生し各部にも改良を施した結果、ベース機であるLM112E06 ガンスマッシャーの姿へと帰結した。
本機LM112E07/08 アサルトバスターガンスマッシャーは改修プランの完成形であり、LM314V23 V2バスターガンダムと同様にバックパックには長距離支援用のメガ・ビーム・キャノンと、迎撃用のスプレー・ビーム・ポッドを装備。メガ・ビーム・ライフルの実用データから開発された高出力ビーム・ライフルを右腕に、左腕には強化型ビーム・シールドが装備される予定であった。
ホワイトアーク隊への配備が想定されていたが、戦局が目まぐるしく変わりエンジェル・ハイロゥ攻防戦の時期も早まった為、戦場への投入は間に合わなかった。
シャアの反乱時の戦闘記録から、「ニュータイプ能力者に限らず敵味方、両陣営でサイコフレームが使われていた場合、サイコフレーム自体の総量が多い陣営は戦況的有利性がある」と報告されていた。それを受けRGM-96X ジェスタとは別ラインでユニコーンシリーズの随伴機として計画されたのがRGZ-95N リゼルN型である。
C型機をベースにコックピットの周辺とバックパックにサイコフレームを搭載。サイコミュ技術を応用してパイロットの反応速度や機体制御能力を引き上げることで、リーダー機たるユニコーンシリーズへの追従性と連携運用の向上を主目的に設計された。また選抜された搭乗パイロットにニュータイプ適性がなかったとしても、サイコフレームを介してリーダー機が本機をファンネルのように遠隔コントロールする運用方法も計画されていた。
グリプス戦役中期に投入された可変MS/MA(TMS/TMA)の戦果を受け、ティターンズ内ではTMS及びTMAのみで構成された部隊の設立が策定された。その指揮官機として計画された機体がドゴス・ギアのニュータイプ部隊でも運用されたRX-110 カブスレイの流れを汲むRX-110B ガブスレイβである。ベース機となるRX-110はムーバブル・フレームを利用した複雑な変形構造から生じる整備性やコスト面の問題から量産は見送られたが、MS/MA両形態での基本性能の高さから再設計された。
変形構造はベース機のまま、頭部は指揮官機に必要なセンサー類を強化。主兵装には遠距離砲撃性能を強化したフェダーイン・ライフルMk2と、MA形態時での推進機能を合わせ持つマルチ・シールドが用意された。また肩部のメガ粒子砲をオミットした代わりに、ベース機にはなかった実弾兵装としてミサイル・ポッドを腰部に増設している。
グリプス戦役後期のティターンズ、エゥーゴ、アクシズの三つ巴の戦いに本機を指揮官機にした部隊が投入されている。
地球連邦軍再建計画内の中距離支援機の開発プランにおいて、特に有力視されたのがオーガスタ基地で開発されたRX-78NT-1 アレックスをベースにしたRGC-83 ジム・キャノンⅡであった。その対抗馬として用意されたのがこのRX-77D-4 量産型ガンキャノンⅡである。
本機は基本性能の底上げの為に一年戦争で最も高いスペックを誇るRGM-79SP ジム・スナイパーⅡをベースに、RX-77-4 ガンキャノンⅡのパーツを組み合わせている。これはRGM-79SPの持つ精密射撃用レーザー・センサーと電子工学式高倍率カメラを活用し、射撃特性を向上させる目的があった。兵装面では両腕部に次世代ビーム兵器の充電仕様の一つであるEパック方式を採用したシールド一体型の二連ビーム・キャノン、左背面にはRX-77-4のビーム・キャノン、右背面には計測・索敵用の大型レドームが装備された。
しかし、コンペの結果、次世代中距離支援機の座はRGC-83が射止め、RX-77D-4は量産検討機で終わることになった。
U.C.0089に生産開始されたRGM-89 ジェガンA型を筆頭に、汎用性や操作性に優れている点が評価されたRGM-89シリーズは地球連邦軍の主力MSとして活躍していたが、戦場のエース級パイロットからはより高スペックの機体配備を望まれる声も少なくなかった。そこでU.C.0094から配備が開始された改良モデルのRGM-89D ジェガンD型をベースに特殊部隊用として強化されたのがRGM-89H ジェガンH型、通称ダッフル・ジェガンである。
RGM-89Dと同じムーバブル・フレームを使用しているが、頭部及び各部外装はほぼ新造に近い形状となった。大型化したバックパックのスラスター出力によってモビルアーマー並みの加速力を誇り、機体とメインスラスター部の間に可動域を追加したことで推力偏向機能も強化されている。サブ・フライト・システムなしでの単機による高速戦闘を可能とし、主兵装であるビーム・ライフルには継続戦闘能力の強化が図られ、腰左右のウェポン・ラックには予備Eパックが装備された。また脚部にはマルチ・ミサイル・ポッドを装備することにより、そのスラスター性能を活かした宇宙用モビルアーマー同様のヒット&アウェイを主な戦法とした。
しかし可変モビルスーツのRGZ-95リゼルの制式採用により、少数が生産されたのみに留まったと言われているが、この機体の系譜はRGM-89R ジェガンR型へと繋がっていった。
AE社で進められていた独自のUC計画の研究において、RGM-96X ジェスタとは別ラインでユニコーンシリーズの随伴機として計画されたのが、コックピット周囲にサイコフレームを搭載したベース機のRGZ-95N リゼルN型である。本機はRX-0 ユニコーンガンダム2号機 バンシィとの連携運用を想定して計画された装備バリエーションの一つであり、専用のディフェンサーgユニットを装備している。
このユニットの特徴はバンシィでの運用試験にて一定の結果を残したアームド・アーマーVNの技術を組み込んだVNインコムを搭載している点にある。通常時は有線式の遠隔射撃兵装として機能し、疑似NT-D発動時には各部が展開することでサイコフレームの強靭性を利用した超振動破砕兵装として使用することが可能となる。
近~遠距離まで全領域対応が可能な兵装ではあるが、疑似NT-D発動時の身体的負荷が大きい点から強化人間パイロットの搭乗が前提となっている。しかし、それらの情報が地球連邦軍に開示されているかは定かではない。
MS-14A ゲルググはビーム兵器を扱える量産機として生産された。一方で推力と運動性を活かし、広範囲に被害を出さない大槍で迎撃対応するというアプローチによって生み出された親衛隊仕様機──それがMS-14L ゲルググL(ランツィーラー)である。要人護衛のためにMS-14Aへ簡易バックパックを装備することで推力強化を図り、さらにヒート・ランスにもサブスラスターを内蔵することで白兵戦距離での突撃時の威力を高めている。またランスチャージ(ランスを構えての突撃戦法)中の耐久力を確保するため、大型のシールドが装備された。装備がヒート・ランスと大型シールドのみという偏った設計コンセプトは、ロイヤルガードの機体へと連綿と続いていくことになる。ア・バオア・クーにも持ち込まれたが、機種転換の時間がなかったためベテラン兵ではなく学徒兵が乗ることになったと言われている。
RMS-108 マラサイは「複数のビーム兵装の同時運用を可能にし、汎用性と生産性を兼ね備えた機体」として兵士から好評だった。操縦性の良さもありティターンズのパイロットからは「RMS-108をベースとした改良機」が求められた。その結果、改良されたのがRMS-108M アサルト・マラサイである。
主兵装にはRMS-106CS ハイザック・カスタムの武装であるビーム・ランチャーのショートバレル型を採用。ロングバレル型より狙撃性能は落ちたが高火力はそのままに、MS戦での汎用性を高めている。
シールドは片手装備に変更しており、その代わりに両肩にはミサイル・ポッドを装備。胸部スラスターは急制動をかける機構であり、可変機を除いた高機動機の中でもピーキーな仕様となっている。
ティターンズのエースパイロットに優先的に配備される計画だった為、ティターンズカラーである濃紺の機体色となった。
高い要求に応えた本機だったが、AE社製のためメンテナンス性にトラブルが発生しやすく、やむなく新造MSを受領する者がほとんどであった。
グリプス戦役後半、戦場の主な舞台が宇宙に移りティターンズ陣営が複数の新型MSなどを導入してきたのに際し、エゥーゴ陣営の戦力強化が検討された。迎撃用として開発されたMSA-003 ネモの空間戦闘能力強化プランが発案されエース仕様のハイマニューバータイプに併せて開発されたのが、MSA-003NM ネモ・ベラトールである。
機動性・姿勢制御能力を強化するためにMSA-099 リック・ディアスのメインバーニア・バインダーを装備。改修の際に調達しやすかったとされる。脚部はMSN-00100 百式のカーフスラスターをフィードバックしており、戦場を問わず安定した性能を誇った。武装ではAE社で開発を引き継いだメガ・ビーム・ライフルを採用することで火力強化も図られている。
前衛向けの改修がされたことで戦士に擬えて『ベラトール』の名前が与えられた。
AMX-102 ズサの量産化の成功により、ネオ・ジオン軍では第二線送りとなったAMX-003 ガザCをベースに爆撃支援機として転用する計画が立てられた。
急造機ながら、MA形態による機動力と火力を特化させ、ガトリングやミサイルなどの実弾装備へ換装している。代わりにナックル・バスターは外された。
主武装として右腕部にはガトリング・ガンとその弾倉、左腕部には筒状コンテナに収納された6連装中型ミサイル・ポッドを装備。これらは作戦の用途に合わせ組み替えて運用することが可能となっている。ズサ・ブースターの肩部ミサイル・ポッドを流用しており、強襲能力の向上に成功している。グレミーの反乱が起きたことでハマーン戦争では殆ど確認されていない。
拠点攻略用に装備を追加した AMS-119 ギラ・ドーガ。プロペラントタンクの増設やシールドの手持ち装備化、肩部バーニアの追加により機動性を活かして拠点制圧などの作戦にあたったとされている。
Iフィールドなどの防御兵装への対策として非ビーム兵器のジャイアント・バズを装備。トライ・ブレードは近・中距離戦用に追加され、フレア(デコイ)として活用することも可能。
拠点に対する赤外線誘導ミサイルなどを無力化することが主な用途として想定された。
いずれの追加武装も既存機体から流用している。基本コンセプトを MS-06 ザクⅡに立ち返った AMS-119 の特性を生かし、換装の容易さや汎用性を追及した結果、ジオン系武装の流用性の高さを実証することに繋がった。
シャアの反乱時に主力機RGM-89 ジェガンを対艦攻撃機の一つとして検討されたプラン。
短期決戦用としてロンド・ベル隊でのストックパーツが考慮されていたため、新規パーツや兵装は少ないものの実戦データから導かれたコンセプトになっている。
主兵装は本機用に調整したハイパー・メガ・ランチャーを装備。ジェネレーターも同時にB型と同規格に換装されている。機動力と推進力についてはRGM-89のバックパックにMSR-100S 百式改のスラスターユニットを組み合わせて強化を図っている。ビーム・サーベルは左腕へボックスユニット化し、副兵装のビーム・ライフルはマウント位置を変更したことで取り回しを向上。またRGM-88X ジェダの胸部パーツをベースに追加装甲としている。
機動性と装甲、火力を強化したことで性能は通常機より向上しているが、急造機となるため、RGM-89Sスターク・ジェガンまでの繋ぎと想定された。
バルカン砲付きの頭部パーツを採用し、装飾を施したMS-14L ゲルググL (ランツィーラー)はミナレットで親衛隊仕様として設計され、要人警護や本陣の防衛戦力として用意された。
頭部バルカン砲の装弾数を増やすために大型の頭部に換装され、本機体の特徴となっている。このバルカン砲はMS-06FS ザクⅡFSやMS-14Fs ゲルググM指揮官機のデータを受けてシミュレーションされたものであり、護衛機として取り回しの良い迎撃兵装であった。
この仕様はMS-14Lsと型式番号を改められ、ゲルググLと区別するために「ランツィーラー・シュッツ」と呼ばれている。
ニュータイプ研究所仕様のRMS-106 ハイザック。ベース機のRMS-106は地球連邦軍の主力機として生産され様々な部隊に配備され、グリプス戦役時にはティターンズ陣営に付いてエゥーゴやカラバ追撃に運用された。
外見や装備は通常のRMS-106と共通するものが多いが、MS-11 アクト・ザクや可変MAとの連携をとるためにマグネット・コーティング仕様として開発されている。また、中身が刷新されたためRMS-106AN アクト・ハイザックという別名を与えられた。
可変MA機の中距離支援用として主に実体弾主体の兵装で固めており、主兵装のハイパー・バズーカはRX-78-2 ガンダムが使用していたブラッシュ社製の改良型である。一年戦争で広く使われた兵装であり、性能が保証されていた点が採用の決め手だった。ミサイル・ポッドはマウント位置を腰部から腕部へ変更。腕部の方が照準を合わせやすく、中距離支援により適していたとされる。
フェダーイン・ライフルやショック・ワイヤーなど、その後のティターンズ陣営の地球連邦製MSに採用される武器の試験評価を行ったとされている機体。
RMS-179 ジムⅡは当時の地球連邦製主力MSの中でも特に生産数が多く、汎用量産機であったことから試験機体として抜擢された。ティターンズの新兵器開発用MSとしての側面が強かったため、機体色はダークブルーを基調としたティターンズカラーにペイントされている。
試作型フェダーイン・ライフルには射撃時と近接戦時の使い分けを考慮して折りたたみ機構付きのグリップを採用したが、木星船団からの技術を経て正式採用時にオミットされた。
ショック・ワイヤーは小型シールドに内蔵する提案がなされ、機能面での成果はあげることができた。しかし取り回しの面での改善が検討され、マニピュレータで使用できるオプション装備という形に帰結し、携行武器──海ヘビへと姿を変えたのだった。
連邦軍のニュータイプ専用試作型MS。アナハイム社がアムロ・レイの設計案をもとに開発した機体。歴代ガンダムの集大成ともいえる高性能MSである。駆動系にサイコフレームが組み込まれ、機体の追従性は極めて高い。
新ネオ・ジオン軍のニュータイプ専用試作型MS。新ネオ・ジオン軍総帥「シャア・アズナブル」の専用機である。大型MSであるが、全身に装備されたスラスターにより機動性に優れ、さらにサイコフレームの搭載によって、機体の追従性も高い。
ジオン公国の宇宙用量産型MSで、陸戦用重MS「ドム」のホバー機能をスラスターに、脚部のエンジンを熱核ロケット式に換装する事で宇宙用に改修した機体。中でも一部のリック・ドムは、MS携行式のビーム兵器運用試験の為、ジェネレーターが強化された上で、試作品であるMAの高出力ビーム砲を転用した「ビーム・バズーカ」と呼ばれるビーム兵器を持たせた機体が存在するが、この兵器の実戦運用においては冷却面などの不安要素が多く、さらに大量生産も不可能だった事にから、ごく一部のベテランパイロットのみに配備された。本機はその内の1機で、MS全体を「ソロモンの悪夢」の異名を持つ「アナベル・ガトー」のパーソナルカラーに変更した専用機となっている。
ジオン公国軍の宇宙用試作型MS。高機動型ザクⅡの初期型を「白狼」シン・マツナガの専用機としてチューンした機体である。マツナガが大戦前半に上げた戦功に対して与えられたもので、彼のパーソナルカラーである白系統の塗装が施されている。
テム・レイ博士を中心とした新型モビルスーツ開発プロジェクト「RX-78計画」で誕生した白兵戦用モビルスーツ。サイド7で開発された2号機に当たる本機はジオンの主力兵器ザクⅡをはるかに上回り、試作機でありながら数多くの敵機を撃墜する。
『赤い彗星』の異名を持つシャア・アズナブルの専用機。
基本構造は一般のザクⅡと同じであるが、シャア本人のオーダーによる改良で赤く塗られたボディと指揮官機であることを示すマルチ・ブレード・アンテナを搭載。そしてリミッターの解除によって一般機の30%増しの推進力を得ることができ、高推力を駆使した一撃離脱の戦闘を行う。
サイド7宙域にてガンダムと交戦して以来、再三ホワイトベース隊との激闘を繰り広げる。
バルギルの頭部を、サイコミュを搭載したガンダムヘッドと換装したモビルスーツ。
バルギルのサイコミュとオーバーライドすることによってムーン・ムーンに突き刺さるサイコプレートが使用可能となった。
パイロットのユッタ・カーシムの意思を反映するかのように起動するサイコプレートは突進による格闘武器として使用することができる。
ネオ・ジオンが独自に開発したニュータイプ専用機。
パイロットはネオ・ジオン軍に所属する強化人間のアゴス・ラガート。
本機はMSN-04サザビー開発の為のプロトタイプ機で次世代サイコミュの実験をされていたが、アタラント3に積み込まれる際に回収され、従来のサイコミュとファンネルを装備している。戦闘中にファンネルが起動しないトラブルが発生したが、ユッタの意思をムーン・ムーンに祀られるガンダムヘッドが中継することによって操ることが出来た。
ZZガンダムやFAZZなどのデータを統合・再設計されたシータプロジェクトの集大成となる機体。ムーバブル・フレームにはコア・ブロック・システムが採用されており分離・合体・Gフォートレス形態への変形機構をそなえている。主武装であるメガ・ビーム・ランチャーを発展させたハイパー・メガ・カノンにはビーム・スマートガンでも採用されたレドーム状のセンサーが搭載され強行偵察から拠点制圧までこなすことができるワンマンオペレーション機である。パイロットはサフィラ・ガードナー中尉が専属で搭乗している。
ムーン・ムーンに流れ着いた謎のガンダムの頭部を起動させるべく、ネオ・ジオンのサイコミュ兵器搭載型MSバルギルに組み合わせ、改修・カラー変更を施した機体。ガンダムタイプの頭部が付けていたサイコミュ兵器は整備されていないが、そこに備わっていた次世代サイコミュは生きていると思われる。
地球連邦軍の主力MSであるジムⅢをベテランパイロット用に強化改修したバリエーション機であるジムⅢパワードに、FSWS計画の流れをくむ強化パーツを装着した状態。
ジムⅢパワードは、頭部に複合センサー内蔵の耐弾バイザーユニット、胴体にビーム・コーティング装甲、さらにショルダー・スラスターを増設することで、防御面と機動性を向上させた機体となっていた。
本機は、コスト的問題で少数生産のみとなっていたフルアーマーガンダムの延長線上にあたるジムⅢ用の汎用オプション装備である重装甲&重火力強化パーツを完全装着した状態であり、その外観から「ブルドック」の愛称で呼ばれる。
重厚な見た目と異なって機動性も決して低すぎることはなく、高出力と重武装により、長距離から近距離まで戦闘距離を選ばずに、相対した敵に押し負けない攻撃的な戦闘スタイルをとれる機体となっている。
ジョニー・ライデン専用高機動型ザクII ジオン公国軍の宇宙用試作型MS。高機動型ザクIIの後期型を、「真紅の稲妻」ジョニー・ライデンの専用機としてチューンナップした機体である。ライデンは本機を用いて高い戦果を上げ、エースパイロットとしての評価を不動のものにした。
ジオン公国の汎用量産型MS「ゲルググ」のバリエーションの1つで、背部にビーム・キャノン砲搭載のキャノンパックを装備し、頭部を専用の照準器付きのものに換装した高火力支援機である。最大の特徴である「ビーム・キャノン」は、水陸両用MSの内蔵式メガ粒子砲の技術を応用した高出力のもので、長距離支援用としては十分な威力を持っているが、機体出力の大部分を武装に回した結果、ベース機に比べて機動力は若干低下している。
ジオン公国軍の宇宙用MS。「真紅の稲妻」として知られるジョニー・ライデンの専用機であり、機体は黒と赤で塗装されている。携行用のロケット・ランチャーは本機専用のものである。
ジオン公国軍の試験用MS。サイコミュ試験用のMS-06Zを改修した機体である。脚部が大推力のロケットエンジンに変更され、高速機動時でのサイコミュ実験に用いられた。後のジオング開発の際には、本機のデータが反映されている。両腕は有線式のサイコミュ兵器で、各指部がビーム砲となっている。
ニュータイプ用MSであるジオングのテスト機として、試作された機体。ニュータイプと言われる者の発する感応波は、ミノフスキー粒子を振動させて周囲に伝達する特性をもつことが判明し、能力保持者の意思を受信、増幅し、複数の異なる機器に伝え軍事利用するシステム「サイコミュ」が開発された。ジオングの中核となるこのシステムと、有線式のメガ粒子砲をテストするためにザクIIを利用して開発が進んだが、メガ粒子砲用にジェネレーター出力が強化され、高機動戦闘用にスラスターが増設されるなど過程で、外観はザクIIから大きくかけ離れたものとなった。本機はあくまでジオングのテスト機で、実戦配備予定がなかったこともあって正式名称が不明瞭であり、プロジェクト名の「ビショップ計画」からコードネームで「ビショップ」と呼ばれたり、「サイコミュ・システム試験用ザク」「Zタイプ・ザク」など様々な呼び名を持つ。
アナハイム・エレクトロニクス社(以下、AE社)が、地球連邦軍の『ガンダム開発計画』の追加プランとして開発した試作モビルスーツ。
コードネームはエンゲージゼロ。
AE社ではすでに、『ガンダム開発計画』の前段として試作0号機“ブロッサム”の開発が進められていたが、高性能な万能機というコンセプトに対する連邦軍の要求はあまりに高く、ブロッサムをフォローするという形で、様々なオプションプランも提案されていた。
その中のひとつがエンゲージゼロであり、対モビルスーツ戦での強襲突撃を主眼としている。
『ガンダム開発計画』のフォロー機として開発されたエンゲージゼロに、大推力の追加ブースター・ポッドを装着した形態。
偶然から実戦運用されることとなったエンゲージゼロへ、旧ジオン軍残党によるテロリスト部隊の掃討作戦用として、さらなる機動力を確保することが検討された。
開発スタッフの発案により、背面に大推力の追加ブースター・ポッドを装着することが決定したが、爆発的な加速性能を得られる代わりに、高G耐性のないパイロットでは失神してしまう機体となってしまった。
これにより、テロリスト部隊の一撃離脱戦法にも対応ができるようになったものの、モビルアーマーでの高機動戦闘経験を持つペッシェですら、ブースター点火からの稼働時間は3分が限度とされた。
アナハイム社の試作型MS。「ガンダム開発計画」で、試作4号機として計画されていた機体である。宇宙での機動性を重視し、高い白兵戦性能を持った機体であったが、開発コンセプトが試作1号機と重複することもあり、計画は中止された。
一年戦争末期に開発されたジオン公国軍のケンプファーを、一撃離脱戦法に特化した高機動型としてカスタマイズした機体。
パイロットは旧ジオン軍残党のテロリスト、ミチェル・カノ。
ケンプファーはもともと強襲用の重モビルスーツとして設計されており、同時期に開発されたモビルスーツと比べても極めて高い機動性を有しているが、本機はそのケンプファーを改造し、アナハイム・エレクトロニクス社(以下、AE社)がGP計画で開発したシュツルム・ブースター・ユニット3基を装着させることで、さらなる高機動性能を獲得している。
それ以外にも、本機は内部パーツが全面的にオーバーホールされており、特徴的なシュツルム・ブースター・ユニットをはじめ、GP計画からの試作パーツが多数流用されており、AE社とテロ部隊との繋がりを強く疑われる結果となった。
『ガンダム開発計画』のフォロー機として開発されたエンゲージゼロだったが、デラーズ紛争の影響により、その存在は抹消された。
しかし、極秘裏にそのフレームと稼働データはアナハイム・エレクトロニクス社から地球連邦軍ニュータイプ研究所へと移管され、サイコミュ搭載実験機として全面改修されることとなった。
その後、様々な経緯から旧ジオン公国出身の科学者、ローレン・ナカモト博士の協力を得て、彼が移籍した際に評価試験はオーガスタ研究所で行われることとなり、最終的に開発ナンバーはORX-00Zで登録された。
なお、テストパイロットにはアナハイム・エレクトロニクス社からの出向という形で、ペッシェ・モンターニュが引き続き務めている。
大幅な偽装も兼ねた改修にあたり、旧ジオン公国軍の『ビショップ計画』で培われたサイコミュ技術が多数導入されたほか、リニアシート、全天周囲モニター、ムーバブル・フレーム技術などの最新技術が投入されたことで、エンゲージゼロは新しく生まれ変わっている。
メイン武装は、両腕のマニピュレータ外側に装備された有線誘導式6連装メガ粒子砲で、これはジオングの腕部5連装メガ粒子砲を発展させたものであり、サイコ・ガンダムシリーズなどと同様に、サイコミュ制御によるオールレンジ攻撃を可能としている。
デラーズ紛争終結後、旧ジオン公国軍の残党狩り部隊として結成されたティターンズは瞬く間に勢力を拡大し、地球連邦軍の所管だった各ニュータイプ研究所も、ティターンズの影響を大きく受けることとなった。これまで分断されていた各ニュータイプ研究所の間でも、ティターンズ主導のもと情報交換が行われ、その一環として、エンゲージゼロ・サイコミュ試験型には、新たに『インコム』の技術が組み込まれることとなった。 『インコム』とは、準サイコミュを利用した有線式の遠隔操作攻撃端末のことであり、これにより、ニュータイプ能力を持たない一般のパイロットであっても、疑似的なオールレンジ攻撃を可能としている。しかし、サイコミュを搭載した大出力の有線式メガビーム砲などとは違い、インコムユニットは小型軽量化によりエネルギー出力が少なく、重力の干渉を受ける地上では、特に運用に著しい制限を受ける
地球連邦軍のニュータイプ研究所で開発された可変モビルアーマー、ギャプランはモビルアーマー形態では爆発的な加速性能を誇るが、高G耐性の無いパイロットではその加速に耐えられなかった。
そのため、ニュータイプ研究所連合では肉体を強化された『強化人間』が抜擢され、ティターンズでは高G耐性を持つ強靭なMSパイロットが選抜された。
どんなに優秀な兵器でも単機では運用上の制限があるため、急遽ギャプランのコクピットを複座にした訓練機が開発された。
パイロットとなる強化人間や選抜パイロットを研究養成するという観点から、テスト機体カラーに塗り替えられている。
エゥーゴの攻撃用試作型可変MS。「Z計画」によって生まれたガンダムで、グリプス戦役当時のMSとしては屈指の高性能を誇る。「ハイパー・メガ・ランチャー」は大型のメガ粒子砲で、MSの携行兵器の中では最大級の威力を持つ。
ネオ・ジオン軍のニュータイプ専用量産型MS。ニュータイプ部隊の実用化に伴い、その乗機として開発されたキュベレイの量産タイプであり、このカラーリングはグレミー軍のもの。
エンゲージゼロ・インコム搭載型は、ペッシェ・モンターニュの判断により旧知のネオ・ジオンスタッフへ引き渡され、解析・分解された。
サイコ・ガンダムMk-ⅡやガンダムMk-V、ペイルライダー同様にネオ・ジオンの新しい技術ソースとなったエンゲージゼロは、この機体の遺伝子を持つ新しい機体へと生まれ変わった。これにより、設計当初からエンゲージゼロが目指した、旧ジオン公国軍の『ビショップ計画』から端を発するサイコミュ技術と、地球連邦軍のフラッグシップ機たるガンダム開発技術の融合(エンゲージ)というコンセプトは、ついに完成を見たと言える。
エンゲージゼロ・ヨンファヴィンは、最新のオールレンジ兵器技術と最速の高機動ブースターを備えた機体として開発された。最大の特徴は、無線式のオールレンジ兵装『レモラ・ファンネル』の搭載であり、これはキュベレイに搭載された『ファンネル』を発展、改良した兵器である。『レモラ』とはコバンザメを意味する言葉で、その名の通り、通常時は機体の腰の両側にコバンザメのように連なってマウントする。攻撃時には、これら計10基のレモラユニットが展開し、サイコミュ制御によるオールレンジ攻撃を可能としている。レモラ・ファンネルはエネルギーCAP技術の向上によりメガ粒子砲並みの出力を確保された一方で、チャージ時間や展開速度では若干キュベレイタイプのファンネルには一歩譲ることになった。また、背面にはジャムル・フィンとして組み立てる際に用意された大推力スラスターをマウントしており、エンゲージゼロが持っていた機体本来の高機動性能を開花させている。
ネオ・ジオン軍が開発した、次世代型実験機。
機体名は、ギリシャ神話の地母神『キュベレー』から派生したローマ神話の地母神『マグナ・マーテル』を由来としており、本機がキュベレイシリーズの上位互換機であることを意味している。
量産型キュベレイと9割同じユニットを使用しており、強力なサイコ・ウェーブを放てる強化人間仕様として、パイロットの肉体を限界まで酷使しても機体が追随できる機能が搭載されているが、プルシリーズでは肉体的に扱えないため、実質的にセリーヌ・ロムの専用機となっている。
本来ならば、量産型キュベレイ部隊の隊長機の一角として運用する予定だったが、セリーヌがグレミー軍から離れ、ペッシェ・モンターニュとの決着を望んだため、量産型キュベレイ部隊はクィン・マンサの随伴機として、最終決戦において大量投入されている。
火力、機動力ともに出力が強化されており、リンク・サイコミュを起動中の量産型キュベレイ部隊が相手でも、単機で圧倒するほどの戦闘能力を見せつけた。また、高機動戦闘においても、モビルアーマー並みの機動力を誇るエンゲージゼロ・ヨンファヴィンに対して、互角の戦いを演じてみせた。